第10章 熱帯夜に見た夢/R18
「はい毎度ぉ 一回三発ね〜 倒れるだけじゃ駄目だよ〜 前に落ちるのも駄目〜 台の後ろに完全に落ちないと駄目だからね〜」
「はい、わかりました」
駄目駄目うるさいオジサンから銃とコルクを受け取る。
「ちなみに莉菜さん。弾が3発あるんだけど、亀以外に欲しいものある?」
「え!?」
「取れるかわからないけど、一応欲しいもの3つ分 聞いておきたくて」
「えっと… 亀以外は…… じゃあ、あれとあれ!」
「あれとあれ?わかった」
莉菜さんが選んだ景品を目で確かめる。
「兄ちゃん〜 嬢ちゃんに格好良いとこしっかり見せてやんな〜 ヘッヘッ」
「佐助くん、頑張って……!」
期待の眼差しで見つめられ、ちょっとドキドキしてきた。
ハードルを上げ過ぎたかもしれない。
とりあえずやれるだけやってみよう…
(シャコン!)
莉菜さんに固唾を飲んで見守られる中、銃に弾を詰める。
まず狙うのは亀だ。
木彫りだから重みがあり、背も低くてかなり難易度が高い。
でも何としてもこれはゲットしないと…
あとは、あれと あれ…… だな。
一発目は慎重に。
銃を構え、
狙いを定める。
「…………」
集中力を頂点にまで高めて…ーーー
パン!!
(カコッ)
ぽすん…
木彫りの亀は、くるっとターンして台の後ろに落ちて行った。