第7章 【04-後編】零時の鐘が鳴るまで
XANXUSとラジエルの戦いを観戦するべく古城へと向かう三人だったが、道中の敵に阻まれて雌雄が決する瞬間には間に合わなかった。XANXUSがラジエルを撃破した事により、イタリア戦線はボンゴレ側が勝利を収める。
しかしその直後に、ボンゴレの総力を注ぎ込んだこの主力戦が、ミルフィオーレのボス・白蘭の中では"前哨戦"に過ぎなかったことを彼らは知らされた。同時に、ボンゴレVSミルフィオーレの抗争の行く末は、遠い地の"過去から来た者達"に委ねられることになるーーーー
ーーミルフィオーレ本部・パフィオペディラム。
白蘭は通信を切って、ぼふっとソファに身を沈めると片手で顔を覆う。そして堪え切れなくなって、はははっ!と大きな笑い声を上げた。
「ああ……やっぱりこの世界は何かが違うね」
無数の世界を見た。その全てでミルフィオーレはボンゴレに勝利していた。その全てで白蘭はトゥリニセッテを手に入れていた。
けれど、世界を統べるチカラは手に入らなかった。
「初めてのことばかりで嬉しくなっちゃうなあ。過去から来る綱吉クン、僕を裏切った正チャン……イタリア戦線で死なない氷雨チャン」
ループもののロールプレイングゲームなら、エンディングはもうすぐそこまで来ているって感じだ。
白蘭は、くつくつと笑い声を噛み殺しながら宙に手をかざす。
「今度こそ、トゥルーエンドに辿り着けるかな?」
白蘭は、ぐっと拳を握った。
この世界がダメでも、いつか必ず手に入れるさ。僕が欲しいものすべて。