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THE WORST NURSERY TALE

第6章 【04-前編】零時の鐘が鳴るまで


「あーーつっかれたー」

「てめぇは待機してただけだろうが!」

「暇すぎて疲れたんだよ」

「ベルは落ち着きがないからね」

「うっせークソチビ」

「こらこら、喧嘩しちゃ駄目よ」


 ボンゴレ本部の門を出ていく黒ずくめの集団。すれ違う人々は彼らに畏怖の視線を投げかけながら、ぼそりと呟く。あれがヴァリアーか、と。
 リング争奪戦の後、9代目と門外顧問が話し合いを行って彼らの処分を決定するまでには時間が掛かった。なにせ9代目も門外顧問も当初は点滴に繋がれていた身だったのだから当然である。二人が話し合いに参加できるまで回復するには相応の時間が必要であり、その間ヴァリアーの面々は本部の監視のもとで軟禁扱いだった。
 ベルフェゴールは久々の外の空気を味わいながら、大きく伸びをした。


「にしても、こんな事ならもっと早く出してくれりゃ良かったじゃん」

「確かに。まさかお咎め無しとはね」

「良くて投獄。悪くて処刑だと思ったわよねぇ」


 軟禁されている間にすっかり怪我の完治したルッスーリアは軽く恐ろしいことを言っているが、周囲は気にする様子はない。実際“それくらいヤバいことをやった”という自覚は皆にある。それを反省しているかと言われれば、それはまた別の話であるのだが。
 彼らは本部の外に用意されていた車に乗り込んで、自らのアジトに向かう。ベルフェゴールと同じ車に乗ったのは、マーモンとルッスーリアであった。ちなみにスクアーロはレヴィと同乗しており、当然のようにXANXUSは一人である。


「結局あのジジイってボスに弱いんじゃね?」

「一応息子として受け入れたみたいだしねぇ。ありえない話ではないけど…」

「ヴァリアーに利用価値があると踏んでるのかな」

「ゲッ。オレ、あいつらに利用されるとかごめんだね」

「もーそう思っても言うもんじゃないわよ、ベルちゃん」


 知ったこっちゃねーよ、と言いながらベルフェゴールは舌を出した。反省の色は見えない。マーモンは少年の相変わらずな様子にため息を吐いた。それは半ば諦めのため息である。
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