第5章 【xx】鳥籠のジュリエッタ【閑話】
*鮫と跳ね馬
「おい、跳ね馬」
「ん?どうした、スクアーロ。傷が痛むか?」
「そうじゃねぇ……貴様に、頼みがある」
「……おまえが頼みとは珍しいな」
「うるせぇ。俺だって、てめぇにゃ頼みたくねェが他に動ける奴がいねぇんだ」
「はは、なんでもいいけどな。で、頼みって?」
「俺らのアジトに、女が一人いる。保護してやってくれねぇか」
「…………スクアーロ、まさかおまえの、」
「ちげぇ!俺の女じゃねぇええ!!」
「ははは、だよな。ちょっと動揺しちまったぜ」
「その言い方もなんかムカつくな……」
「まあ気にするな。その女性の名前は?特徴とかあるか?」
「名前は鈴川 氷雨。特徴は……普通の日本人だな、別段変わったところはねぇ」
「日本人の女性だな。……ん?待てよ、おまえ、鈴川 氷雨って言ったか?」
「ああ、言ったぜぇ」
「誘拐されたって大事になってんじゃねぇか。犯人おまえだったのか」
「ばっ、俺じゃねぇ!ベルの仕業だぁ!」
「どちらにしろおまえらが監禁してたわけだろ。大事だぜ?」
「まあ……そうだろうなァ」
「それに、あいつは……」
「ん?なんだぁ、何かあるのか」
「……いや、まだなんとも言えないからな」
「何がだ」
「こっちの話だ。さて、じゃあ俺はその鈴川 氷雨を保護しに行ってくるぜ」
「チッ、相変わらずいけ好かねぇ野郎が……」