• テキストサイズ

THE WORST NURSERY TALE

第4章 【03】鳥籠のジュリエッタ


「……悪いな。5年前に手を打っておければ、こうはならなかった」

「過ぎたことです。もう気にしていません」


 事実だった。氷雨は今になって、己の異質さを再認識したけれども、それを恨めしいとは思わなかった。すべてが悪い方向に進んでしまったというならば、ただそれだけの話だったのだろう。終わったことは取り戻せない。ほんの数日前に、彼女はそれを教わった。大切なのは、これからどうするつもりか、だ。


「リボーンさん」

「なんだ?」

「謝って下さるより、協力してくれませんか?」

「……オレは高いぞ?」

「そちらの条件も出来るだけのみます」

「内容を先に聞く。判断はそれからだ」


 口調こそ素っ気ないもののリボーンは満更ではなさそうである。きちんと話を聞く気はあるらしい。
 氷雨は安心したように微笑むと、おもむろに口を開いた。


「私の望みはひとつだけ。それは、――――」



/ 225ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp