第3章 約束
PM8:00。
約束の時間。
僕の方が先に着いて、数分待つと宙良がきた。
「ごめんね。待たせちゃった」
「謝る事ないよ。ほら、行こう」
「……うん」
そして、僕達2人は目的地へ向かって、お互いの手を握りながら歩き出した。
暫く歩いていると、ちょうど分かれ道にさしかかったけれど、この道はどちらも同じ距離で目的地に辿り着くようにはなっている。
「どっちの道がいい?」
「コイントスで決めてみない?」
僕は彼女の意見に賛成した。
そして、右の道を表、左の道を裏と決めて、コイン──500円玉を投げた。