第2章 小さな落し物
入学式。
僕は今日から中学一年生。
初めての事だらけで、とても緊張してしまう。
僕のクラスでは、僕と同じ小学校の奴は数人しかおらず、その他は他校生が占めていた。
元々、僕がいた小学校は生徒数が2桁を下回るぐらい人数が少ない。
だから、元々少ないのが更に少なくなったというわけだ。
「りゅう~!中学生になった感想は~?ww」
親友と言っても過言ではない、真中輝。
“りゅう”というのは僕のあだ名。
よく、苗字を“うちゅう”、名前を“すばる”って読まれたりする。
「んー、まだわかんねぇよ」
「だろうなー」
ケラケラと笑っている真中は、もう他校の奴らと仲が良くなったみたいだ。
このクラスに真中がいてくれて、ホント助かった。