第9章 【黄泉の国へ※】
丁度よい温度の温もりが、体を包んでいる。
次第に目が覚めていった。
「……んんっ」
眩しさに思わず目を擦る。こしこしと擦っている間、脳裏には昨晩のことが浮かんだ。
瞬間、バッと布団を巻き上げ起き上がる。が、腰に強い痛みを覚えた。
「ーーッっ!!」
そうだ、思い出したぞ。終わったあとの記憶はないけど、その前に白蛇さんの巨根を突っ込まれたのだ。
高校生の頃は、処女自体に少しコンプレックスを持っていた時期もあったが、今なら言える。処女の方がいい。
いや、好きな人?と繋がれるなら、いくら痛くても耐えようとも。白蛇さんでもだ!しかし、処女でアレはハードル高すぎるって。
昨日の痛みを思い出し、鳥肌がぶわっと立った。
「おはよう、」
声がした方を見ると、書机の座椅子に座っている白蛇さんがいた。
「おは、よう……ございます」
居るとは思っていなかった相手に、繋ぎ繋ぎの言葉しか出てこない。
「本を読んでいるんですか?」
白蛇さんの部屋に、本が溢れんばかり(実際溢れていた)の本を思い出す。やはり本を読むことが好きなのだろうか……
「あぁ、そうだよ。これは人間たちの暮らしが記されている本でね。私も少しは知識を増やさなくてはね」
やはり、何をしても絵になる。
丸窓から入る朝の光に、小鳥の囀り、影さえもが白蛇さんのためにあるのでは、と言われれば素直に納得できそうだ。
じっと見つめる私に、白蛇さんは笑みを零した。