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繫がる物語

第10章 第九話


「…という訳です」

 シンドリアに到着してしばらくした後、エルアは王の間にいた。

 理由はもちろん、エルアの身の上についてだ。シンドバッドが煌帝国に行かなければならないため、多少ドタバタ気味ではあったもののこうしてちゃんと話をする場を設けてもらえたのだった。

「なるほどな…異世界か……。ジャーファル、どう思う?」
 シンドバッドが顎に手を当てつつ、隣に控えているジャーファルに問うと、ジャーファル。
「そうですね…。非現実的ですが、そう考えると彼女の力や煌帝国との関わりと辻褄が合いますし……信憑性はあると」
「王よ…」
「どうした、ヤムライハ?」
 ジャーファルがそう言っていると、二人の左右に並んで立っている男女、八人将と呼ばれる、シンドリアの屈強な戦士達、の一人の水色の髪をした女性、ヤムライハが尋ねる。


「その彼女の力とは、どのようなものなのですか?もしかしたらですが、新手の魔法かもしれませんし…是非見てみたいのですが…」
「だそうだが…?」
 ヤムライハの発言を受けて、シンドバッドはエルアに顔を向ける。
「構いませんよ。でも、あなた方が見たものだとここが壊れかねないので別のものをお見せします」
 
 エルアは少し考えると、ジャーファルの方を向く。
「ジャーファルさん…ごめんなさい……」
「え?」
「少々身体、お借りします!ごめんなさい!!

 縛道の六十一、六杖光牢!」

『!!??』
 途端に六本の光の柱が現れるや、ジャーファルを中心に六方位から集まりジャーファルを拘束した。
「ホンッ卜にごめんなさい!こーゆーのは戦闘用ばっかりなんで、相手いないと伝わらないの多くて…」
「いえ…構わないですが……とても丈夫ですね。逃れられそうにない」

 全力で謝るエルアを見て安心させようと笑みを見せつつ、ジャーファルは拘束を解こうと試みる。
 が、全く外れる気配がなかった。
「そろそろ解きますね。ありがとうございます」
 エルアがそう言うと、柱はすぐに消えてなくなってしまった。
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