第6章 第零話
そうして私が目を白黒させていると、それを見たジュダルは笑い出した。
「あははははは!!お前、顔顔!」
「う、うっさいっ!大体、絨毯が浮いてんのがまずおかしすぎるでしょ?!」
きっと睨みつつ言う。
するとジュダル。
「なんだ、お前魔法の絨毯見たことねぇのかよ?」
「……は?」
あのー、今この方、魔法って言いました?
科学かなんかで浮いているのであろう絨毯の動力の元を、魔法って言いました?
……厨ニ病?
ゴスッッ!!
「いったぁっ?!」
「誰が厨ニ病だゴラ」
「何故バれたっ?!」
「なんとなく」ドヤァ
お決まりの読心術もどきかよ。プライバシー侵害で訴えれないかな?
そしてこのドヤ顔、イラッとする。
「もしかしてお前、魔法も知らねーのか?」
ジュダルにそう問われる。
無論、知らないので、笑われるの覚悟で頷く。
「マジかよ!お前、旅人なんだろ?だったらどっかでそれっぽいのくらい見るだろ!」
案の定、爆笑されながら言われた。
「旅に出てすぐだったんだよ!ほんっの、一日二日程d」
「俺がお前を拾ったとこから、歩いて数日のとこに人が住んでるとこなんざねーぞ?」
「」
残念ながら、死神として何百年として生きてきた私でも、こっから逆転する会話術は持ち合わせていない。
「そのよーすだと、俺らマギのこととかも、全くもってなんも知らねぇな?」
「…仰る通りで」
「お前よくそんな知識量で旅出ようとしたな…」
こくり、と頷きつつ言うと、なんか呆れられた。そんなに重要なもんなのだろうか。←
絨毯で移動しつつ、私はジュダルからこの世界の様々な話を片っ端から聞くこととなった。