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繫がる物語

第4章 第四話




「エルア〜!」
 快晴の青空のもと、木の下の木陰でエルアが読書をしていると、紅玉が駆け寄ってきた。
「どうしたの、紅玉?」
「あのね、お兄様が呼んでるの。私も呼ばれてて、その、一緒に行こうって……誘おうと…」
 最初までは良かったものの、こういったことに慣れていない為か、最後は顔を赤らめつつ、声も小さくなってしまう。
 それを見たエルアは、にこっと笑うと、
「うん、行こう!全然遠慮しなくてもいいのに〜」
 と言って、本を閉じ、立ち上がった。































「失礼します、お兄様」
「失礼します」
「来たか、紅玉、エルアさん」
 部屋にいたのは、煌帝国第一皇子、練紅炎だった。

「それで、お話ってなんですの?お兄様?」
 紅玉が聞くと、紅炎は話しだした。
「二人には、バルバットに行ってもらいたい。
……とはいっても、紅玉はほぼ強制だがな」
 それを聞いた紅玉は、わずかに顔を暗くする。
「それってどういうことですか、紅炎殿?」
 エルアが尋ねると、紅炎は、紅玉がバルバット王と婚姻を結ぶことを話した。

(なるほど…政略結婚ってわけか)
 その話を聞いたエルアは、そう理解した。政略結婚は、ソウル・ソサエティでもよくある話なので、すぐ理解できた。
「で、兼ねてから、エルアさんは色んな世界を見てみたい、と言っていたのを思い出してな。もし良ければ、紅玉と一緒にバルバットに行ってやってくれないかと頼む為に呼んだんだ。お付の者もいるが、エルアさんも行ってくれたら、紅玉もより安心して行けると思ってな…」

 聞くところによると、しきたりで、婚姻を結ぶ寸前まで婚約相手と会うことが禁じられているらしい。
 ただでさえ婚約なんて不安なのに、それだと益々不安に駆られるだろう。エルアが一緒に行けば、似た歳の者同士というのもあり、少しは負担も減らせる。
 それに、エルアは新しい世界を見ることができる…

 答えは決まっていた。






















「ぜひ、同行させてください!」

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