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繫がる物語

第3章 第三話



「どうしてここに?」
 エルアが聞くと、白瑛は微笑みつつ、
「偶然通りかかっただけですよ」
 と答えた。
「……あら?あれは……紅覇とジュダル?」
 ふと、エルアの後ろ越しに二人を見つけた白瑛は柱の陰から出た。そして見たのは、戦闘真っ最中の二人。























 そして、戦闘によってぶっ壊された城。


























「………」
「白瑛さん…?」
 固まった白瑛におずおずとエルアが声をかける。
 すると白瑛は、微笑を浮かべつつ、
「少々ここで待っててください。始末し次第、一緒にお茶でもしましょう」
 と告げると、持っていた扇をかざして二人に歩み寄った。
(な、なぜだろう。笑っていらっしゃるのに、怖い)
 エルアは白瑛から四番隊隊長、卯ノ花烈に似た感じがすると思った。

 卯ノ花が、怒った時の。






















「狂愛と混沌の精霊よ…、汝と汝の眷属に命ず……我が魔力を糧として、我が意志に大いなる力を与えよ
出でよ!パイモン!!」
 言霊を唱えると、白瑛の周囲に幾つもの竜巻が発生した。
 身に纏っているものも、先程までの着物ではなく、露出の高い特殊な衣を纏っていた。

「貴方達……」
「義姉さん?!」
「ゲッ!白瑛!!」
 ようやっと白瑛に気がついた二人は、白瑛の魔装を見、ギョッとなった。



 だが、もう遅かった。
























「少し…頭を冷やしなさい!!!」
 そう叫ぶと、白瑛は巨大な竜巻を発生させ、二人を吹き飛ばした。


 二人の悲鳴が、城内に響いた。




























「……ご愁傷さま」
 吹き荒れる突風のさ中、ボソッとエルアは言うのだった。

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