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生い立ちの歌《文スト》

第8章 『生い立ちの歌』




私の上に降る雪は
花びらのように降ってきます
薪の燃える音もして
凍るみ空の黝む頃

私の上に降る雪は
いとなよびかになつかしく
手を差伸べて降りました

私の上に降る雪は
熱い額に落ちもくる
涙のようでありました

私の上に降る雪に
いとねんごろに感謝して、神様に
長生したいと祈りました

私の上に降る雪は
いと貞潔でありました
(中原中也/生い立ちの歌より)


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