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雪解けの春《アイナナ》

第7章 Episode 6





ほとんど息をつかず、紡ちゃんは一人一人に向かって感謝の言葉を口にした。
そうだよ。みんながどんなに大きくなろうと、どう変化しようと、1番傍にいて、1番IDOLiSH7を見てくれたのは紡ちゃんだ。
そして私も、デビュー前からの彼らのファン。



「大丈夫だよ、ちゃんと君たちを見てくれている人はいる。胸を張って、IDOLiSH7」

「はい!」



メンバーの表情は打って変わってどこか晴れやかだ。
紡ちゃんと私はにっこり笑い合う。
それからというもの、メンバー内での蟠りはだいぶなくなったようで、環も今まで以上に仕事に対して真摯に向き合うようになり、スタッフから更に評判が良くなったというのを壮五から聞いた。



「陸!聞いたよ!次の曲から陸がセンターに戻るんだよね」

「はい!一織に頼り切ってたから、次からは俺も負けないように頑張らないと!」

「ははは、気合十分だね。頑張って!楽しみにしてるから」

「ありがとうございます!」



さて、今日はイラストレーターさんと、次のアルバムのジャケットの打ち合わせだったな。
まだ少し時間はあるけど、もう向かおう。
電車に乗り、目的の駅に着くと目にはRe:valeのポスターが飛び込んできた。



「Get back My song...最近、よく見るな」



Re:valeのポスターに書かれた、「僕の歌を取り返せ」という落書き。巷ではゼロが戻ってきたやら、ゼロの呪いやら騒がれているが、実際のところはよくわかっていない。
これが悪化しなければいいのだけれど。



「ユキも百くんも大丈夫、かな」



Re:valeは負けないとわかってはいるが、不安は消えない。
それを振り払うように私は待ち合わせのカフェへと向かったのだった。


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