第5章 Episode 4
壮五をナギに押しやり、着替えを掴むとお風呂場へと逃げた。ゆっくり浸かって時間を潰そう。
家から持ってきたちょっといい入浴剤と、お気に入りのボディーソープとシャンプー。
防水ケースに携帯を入れ、音楽を聴きながらゆっくりとお風呂に浸かった。
お風呂から上がると、リビングには何故かTRIGGERの十龍之介がいた。なんなら既に出来上がっていた。
その横には同じく既に出来上がっている大和と三月。
「何これ、どういう状況?」
「さくらー!さくらも飲めよ!」
「飲むけど!状況説明をして」
「大和さんが十龍之介を拾ってきた!」
ごめん三月、意味がわからない。
でもなんだか楽しそうなので私も冷蔵庫から缶ビールを取り出すと3人と乾杯を交わした。
「かんぱーい!」
「ははは!カリーサビラ!」
龍之介は酔うと沖縄弁全開らしい。
今度少し勉強してみようかな、なんだか聞きなれない言葉は面白い。
「そうだ、蕎麦の出前頼もうぜ!」
「いいねー!」
そう言うと三月は蕎麦屋に電話をして、天ぷらそばを4つ注文してくれた。
しばらくすると蕎麦が届き、三月と私が玄関へ出向く。
「八乙女楽?」
「似てるだろー?八乙女楽のそっくりさん!」
三月は笑いながらそう言うがどう見ても本人だ。
楽本人も否定しているからそういうことにしておいた方がいいのかな?
すると今度は紡ちゃんが筑前煮を持って来てくれた。
楽に蕎麦を運ぶのを手伝ってもらうと、楽は紡ちゃんに八乙女楽は好きか、とか空いてる日はあるか、と誰が見てもわかるようなアピールをし始めた。