第1章 報われない。 -そらる-
『あ…そっか……でも…』
「あとそれから、
こんな時間に男の部屋にホイホイ入っちゃって
…危機感持ちなよ?」
──ちゅっ
くちびるに1つ、キスを落とされた
何が起こったのかわからない
『え、そらるさ、ふっ、んっ、んんっ、んっ、ふん』
だんだん深くなっていく
わけがわからないと同時に頭がとろけていって
何も考えられなくなる
さっきまで私の目を見ていたはずのそらるさんの視線は
ずっと私のくちびるに注がれている
いやっていえばいいのに、言えない
そういえば、最後にこんなキスをしたのっていつだったっけ
こんな時だけどなぜか冷静になってきた
考えてみると、大分前から別れる前兆はあったみたい
せつなくなって涙が出る