第1章 報われない。 -そらる-
────ゆさゆさ揺れてる
──────ふわっとする感覚─
─────ここは、どこ?
「…あ、気が付いた?…ここ、オレの部屋だから」
『え…?え……?あ、…』
目の前に座っているそらるさんと目が合い、あまりの距離の近さに驚く
見るとわたしは白いソファに寝かされていて、そらるさんはワイシャツを着崩しているみたいで、なんだか慣れない
『なんでわたしそらるさんの家に…?』
「酔いつぶれちゃって、紗奈さん、起こしても起きないし」
『(わ、わたし、なんてことを!)』
途端に申し訳なさがこみ上げてきた