第1章 報われない。 -そらる-
あられもないわたしをそらるさんはチラッとみて
覆い被さる
手に手を重ねて、ギュッと握りしめ、わたしの耳元で囁く
「ふっ、ん、オレ、ずっと紗奈さんと、こういうこと、したかった」
「店に来るとき、いつも見てた、それに、想像も」
「どれだけ好きか、知らないでしょ」
「ん、恥ずかしがらないで、俺の目、見て」
低くて落ち着く声、この声で脳内まで犯されてるような気分になる
「はっ、今締まった、もしかして、これだけで感じてるわけ?」
不敵に笑う彼に、不覚にもキュンとしてしまう