第14章 「ガーデン/始まりの庭」
何処から生まれてきたのか、
なんて私達には関係ない…
今しかない時間を精一杯生きる。
「はぁー…、ねぇどこどこ?全然見えないんだけど…」
「本当にあったの?」
「間違いないって…」
雪が降っている外を見つめる私達は、とある物を探していた。
ゼロツーは私達とは別行動で書庫で何かを調べようとしているが中々見つからなかった。
「見えた、あそこだ!」
フトシ君が指を差した先には
周りを覆うように囲まれた建物が建っていた。
「やっぱりあれって…」
「ガーデンだ。」
ガーデン、そこは私達が育った場所であり何百人のコドモ達が暮らしているパラサイト育成施設でもある故郷だった。
そして、ガーデンを見下ろす様に聳え立っている研究所《第3ナースリィ・ラボラトリー》に私達は呼ばれた。
「遠くから見てはいたけど、入ったのは初めて…」
「ここに来た事がある子殆ど居なかったんじゃない?」
「ヒロとゼロちゃんは何度かあるんだっけ?」
「あの頃は俺達特別研究対象だったから…」
「けっ、特待生…」
「後はミツル位じゃない?」
「えっ、ミツル?」
ヒロは頭を?にしてそう言うと、
ミツル君は後ろで顰めっ面をしていた。
「聞いて、ここへ来たのは貴方達の検査の目的よ
残念ながら里帰りじゃないの…よってガーデンへ行くのは禁止します。」
「検査…?」
「ここで大袈裟な検査を…?」
「僕達はおまけだと思う。」
ヒロは隣に居るゼロツーを見てそう言うと、
彼女は指を噛みながら立っていた。
「CODE002、特に君は重点的だ。」
「…面倒臭い」
「これは命令よ、これ以上先延ばしには出来ないわ。」
「…」
ゼロツーはイライラした様な顔をすると、
何処から彼女を呼ぶ声が聞こえた_______________