第11章 「永遠の都市」
ゾロメ君が居るオトナの住宅地に着くと、
捜査員は直ぐに本人かチェックを行った
「傷の手当と後…食べ物なんかも与えたのですけれど」
ゾロメ君のお世話をしていた人の会話を
聞いていると、捜査員はゾロメ君に文句を言っていた。
「余計な手間を増やすな、
ここはお前達細菌保持者が入っていい所じゃないんだ。」
「辞めておけ、コイツらも被害者みたいな者だ。
可哀想な奴らなんだよ」
ナナさんとゾロメ君と寄宿舎に帰る途中、
彼からこんな事を聞かれた。
「ゼロちゃん…俺達は可哀想な奴、じゃないよな?
だって、パパは俺達の事を期待してるんだぜ。」
「………うん、そうだね。」
それから話は途切れ、寄宿舎に着くと
ゾロメ君はミクから1週間風呂掃除の刑を言い渡されていた。
「こらぁっ!!もっと真面目にやんなさいよ!!」
「あぁっ?何見張ってんだよ!!見せもんじゃねーぞ!」
あのオトナの女の人に感じた
懐かしさは何だったのか、
その後も何度か考える事があったけど
結局答えは見つからなかった。
その内考える事も
あの人の事さえ忘れてしまった。
そして僕はもう、
あの夢を見る事も無くなった________________