第16章 「罪と告白」
「俺は忘れていたのか…あんな大切な事を…
君が……あの時の!……絵本の……」
「!?」
「女の子だったんだね……」
「……見た……の?」
漸くヒロは忘れていた記憶を思い出し、
ゼロツーにそう言うと、ゼロツーは驚きヒロを
見つめながらそう言った。
「ごめん、俺、覚えてなくて…
君の意識と繋がった…前にも、あったんだ……
その時も…君は、あの木の下で待っていたね…」
「なんで……!?ダーリン!!」
バランスを崩して倒れ込むのをゼロツーは
心配そうに支えながらヒロを覗き込んだ。
「………ねぇ……ダーリンが……あの時のダーリンだったの…?
………なら僕は…僕は、ずっと……?」
困惑をしているゼロツーは視線を泳ぎながら更に
困惑をすると、ストレリチアのハッチが開きイチゴが入ってきた。
「ヒロに、触るなっ!!」
イチゴはゼロツーをぶん投げると、
何とか一緒に来たゴローに支えられた。
「なっ!?お、おい大丈夫か……?」
皆はコクピットに戻ると、イチゴはヒロに必死に呼びかけていた。
「……(意識が繋がり過ぎたせいで、身体が着いていけなくなっている。)」
『思っていることは、何でも話して欲しい』
『もっと君のことを知りたいんだ……』
彼は、よくそう言っていた。
『分かり合いたいんだ』と____________
その時は彼が何を言おうとしているのか、
理解出来なかった。
だけど、今なら分かるような気がする___________
彼が、何を求めていたのか……
ゼロツーは、ヒビの入った手鏡を持ちながら
そんなことを考えていた________________