第2章 新しい世界、新しい家族、新たな誓い
俺はギルドマークスタンプを、左手の甲に青で押してもらった。
それを見届けたマスターは、カウンターの上に立ち、
大声で言い放った。
「お前らー!新しい家族じゃ!」
「たった今からこのギルドでお世話になります!
山吹蒼です!年は15歳、魔法は火、水、氷、雷、天の滅竜魔と
造形魔法を使います!接近戦も出来ます!
よろしくお願いします!」
俺が自己紹介をするとギルド内のメンバーが押し寄せて来る。
口々によろしくや、15歳には見えない、その耳と尻尾は
本物か、モフらせてくれと言ってくる。
俺はどうしていいか分からずあたふたしていると
マスターが再び話し始める。
「やめんか!蒼が困っておるだろう。
まったく。じゃが新しい家族が入ってきたんじゃ、
今日は宴じゃー!」
マスターの発言に合わせて宴が始まった。
俺はその光景を見て笑みがこぼれた。
(ちょっと不安だったけど、大丈夫っぽいかな。)
そして数時間後
ギルドの中は酔い潰れたメンバーで一杯になった。
俺がカウンターでギルダーツと飲んでいると
マスターに話しかけられた。
「どうじゃ、うまくやっていけそうかの?」
「はい、皆んな癖は強いですがいい人達みたいですし。
フェアリーテイルに入って本当に良かったと思います。」
俺がそう言うとマスターは、そうじゃろう笑いながら
ジョッキを煽る。
「プハァ、話が変わるんじゃがお主、S級魔導師になってみんか。
ギルダーツと引き分けたお主ならやっていけると思うが、
どうかの。」
「そりゃいいな、ソウがS級になりゃ仕事が減って楽できそうだ!それに、コイツらのストッパーがいた方がいいからな。」
マスターとギルダーツにいきなりそう言われた俺は戸惑いつつも返事をした。
「S級魔導師ですか。嬉しいのですが、
入ったばかりでいきなりS級魔導師になるのは不安ですね。
でも、せっかくだからやってみようと思います。
マスターの手助けになれば嬉しいですし。」
「うむ。ではお主をS級魔導師に認定する。
これからよろしく頼むの。
しっかし、お前さんは本当に人間ができとるのぉ。
ガキどもにも見習わせたいくらいじゃ。
その気持ちだけでも嬉しいわい。」
マスターは嬉しそうにそう言った。
「あはは、はい。精一杯頑張ってみます。」
こうして俺はS級魔導師になった。
