
第2章 新しい世界、新しい家族、新たな誓い

俺はギルドを出た後、汽車に乗りゴルディア山に一番近い駅まで来ていた。
ここからゴルディア山までは一番近い駅とはいえ、50キロ以上ある。
「ここからは走って依頼主のいる村まで行くか。」
身体をほぐし、一気に走り出す。
5分程走ると村が見えてくる。
スピードを落として村に近づくと村の前に門番がおり、
俺はギルドマークを見せながら門番の男に告げる。
「すいません。
フェアリーテイルの者です。依頼を受けて来ました。
依頼主の元まで案内をお願いしたいのですが。」
「おぉ!あのフェアリーテイルの方ですか!
案内いたします。付いて来てください。」
そう言われて付いて行くと、少し大きめの家に着く。
「村長。依頼を受けた方をお連れしました。」
門番がそう告げると中から若い男性が出てくる。
「ようこそお越しくださいました。
詳しい話は中でいたしましょう。君も持ち場に戻ってくれ。」
俺は頷き、中に入って行った依頼主に付いて行く。
「そこに腰掛けてください。」
そう言われて木製の椅子に座ると、依頼主が話し出した。
「それでは依頼の確認を。
ゴルディア山に鬼が現れたのは1ヶ月くらい前です。
森のモンスターがナニカから逃げるように近隣の村に出て来たのです。
今まではそんな事はありませんでした。
そして私たちは調査隊を編成し送り出したのです。
しかし帰って来たのは1人だけでした。
その者は傷だらけでした。
そして、調査の報告をするとその者は亡くなりました。」
森に出た鬼は青い髪で、頭に一本の角が生えていたらしい。
その鬼の周りはモンスターの死骸が無数に転がっていたそうな。
その鬼はこちらに気付くと何かを伝えようとしたらしいが
村人は怖くなって逃げ出し、帰り道でモンスターに襲われた。
そこまで聞くと俺は依頼主に確認を取る。
「その鬼自体はこちらに危害を加えて来ていないんですよね?
だったら、その鬼がこちらに危害を加えようとしなければ
俺は鬼を討伐はしません。
話が通じるのなら、他のところに行ってもらえないか確認します。
そして、村に被害が出ないようにモンスターだけ討伐します。
それでもいいでしょうか?」
そう確認をすると依頼主は頷き頭を下げて来た。
「それで構いません。どうかよろしくお願いします。」
俺は頷き、依頼主の家を出ると鬼がいると言う洞窟へと向かった。
