第12章 卵の君
「……理由を聞いても?」
少しショックを受けている皆さんに罪悪感が湧くが此ればかりは致し方ない。
危険は伴うであろうがとても楽しそうな職場に思える。
そんな処で働かせて貰えるなんて光栄な話だけど…
『高校をきちんと卒業してから働きたいんです。私の我儘ですみません。』
「「「「「「えぇーっ!!!!?」」」」」
太「いや、待って。君高校生だったのかい!?」
『はい。今高校二年生です。』
与「随分落ち着いた子だねぇ。」
『あはは、よく云われます。』
敦「歳上かと思ってた…」
潤「僕も同年代かと…」
ナ「驚きましたわ。」
国「真逆高校生だったとは……。よし、分かった。もし一年後気持ちが変わらないのであればうちに来てくれ。」
『はい!有難う御座います!』
国「礼を云うのは此方の方だ。騒がしくてすまんな。」
其の日をきっかけに月に何度か皆さんと喫茶店うずまきに集まり晴れて私も常連さんの仲間入りした。
そして卒業式を終えた私は探偵社で祝福されている真っ最中だ。
敦「此れで四月から探偵社の一員ですね!」
ナ「愛理さんが来てくださるなんて嬉しいですわ!」
太「ふふっ、如何だい?卒業した御祝いに私と心中でも……あ゛い゛てっ!!!」
国「愛理が困っておるだろう!心中なら貴様一人で行ってこい!!」
敦「いや、国木田さん行かせちゃ駄目ですよ。まだ仕事山ほど有るんですから。」
太「其れに心中は一人じゃ出来ないよー?」
国「ゔ゛っ」
『皆さん、改めまして今後とも宜しくお願いします。』
各々が肯定の言葉をくれたことに安堵していると一人だけ眉を顰めている事に気付く。
『国木田さん、何か心配事でも?』
「あっ、いや、そう云う訳では無いんだが…」
『そうですか…。力になれるかは分かりませんが何か有りましたら仰って下さいね!』
「嗚呼、すまないな。」