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在りし日の歌【文スト】【短編集】

第12章 卵の君




-翌日。


「其れでさぁ、国木田君たらこーんなに鼻の下伸ばしちゃって!」

「まぁ、そんなに素敵な方なんですね!是非お友達になりたいですわ!」

「ナオミ、人の恋路に首を突っ込んでは駄目だよ。」

「兄様ったら私に口答えするんですの?」

「あ、いや、……応援するナオミは良いと思うよ!」

「流石兄様ですわ。」

「あの国木田がねェ……。妾も興味有るね。」

「スーパーの店員なんですよね?購い出しに行ったら見れるんじゃないんですか?」

「「「其の手が有った!/有りましたわ!」」」

「駄目だ、ノリノリだ…。」

「谷崎さんこうなったらもう誰にも止められませんよ。」


一寸したお祭り騒ぎになっている太宰と谷崎妹と与謝野に冷静な目を向ける谷崎兄と淳。
乱歩と事件の捜査に向かい留守にしている本人を良い事に好き放題云っている。


「でもあの国木田さんが見惚れる程ですよね。少し気になるなぁ。」

「手帖に書いてある理想に殆ど近いって云うのも気になるし…。」

「「太宰さん!僕達も行きます!!」」


祭りの参加者は増え、武装探偵社はもぬけの殻となった。


「……あれ?皆さん何処に行ったんでしょう。あ、今日は天気が良いからお散歩にでも行ったんですね!畑の作物達も天気が良くて喜んでいましたし。」


ただ一人、先程任務から帰還した賢治を除いて。


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