第18章 拾い者と落し者 其の二
その後お風呂から上がった龍之介が帰ろうとするのを引き止め(深夜の三時だったから。)
気を使ってソファで寝ると云い張る彼を無理やりベッドに連れて行き一緒に寝た。(勿論何もなく爆睡。尚、芥川はずっと理性との格闘だった。)
そして今、色んなことを端折りに端折ってラビィ殲滅作戦開始一分前。
流石にこの回長引きすぎだから。
短編小説じゃなくなっちゃう。
『定刻です。A班、B班突入開始!』
私の合図で戦闘が始まる。
ラビィのアジトは三方向に出入り口が或るのでその全てから一気に叩こうという作戦だ。
A班には広津さんと樋口ちゃんを主とする構成で左方向から。
B班には銀ちゃんとタッチーを主とする構成で右方向から突入してもらう。
そして私と龍之介だけで構成されるC班は未だ待機。
樋口ちゃんとタッチーは拳銃を使うので味方から貰い玉をする可能性がある。
なので敵を或る程度真ん中に追い詰めたところで私達が突入し、羅生門で一人を除き食い尽くしてもらう。
『龍之介、GO!』
芥「人を犬みたいに云うでは無い。」
建物は入れば辺り一面敵だらけ。
まるで人がゴミのよう。
まぁ今から屍にはなるんだけどさ、などと思っている内にあっという間に人数が減っていく。
芥「おい。何奴を残せば佳い。」
『えー?じゃあ其処のスタイルのいい男の子で!』
芥「承知。」
残りを排除するのにそう時間はかからなかった。
先ほど指定した男の子、って云っても四つ下ぐらいかな?
その子に私の異能を掛け建物の構造や親玉の居場所を吐いてもらう。
如何やら護衛は雇っていないらしい。
『じゃあその親玉の場所まで案内して。』
「分かりました。」
龍之介と私を筆頭に黙々と長くて暗い廊下を進む。
背後から袋叩きにされる可能性を考え、A班B班共に三方向に分かれ出入り口に立ってもらっている。
ふと、先頭にいるスタイルの佳い男の子が立ち止まり此方を振り向く。
『如何かした?』
「いやぁ、スタイルが佳いだなんて君から褒められるとは思わなくて戸惑っているのだよ。」
『ッ!?』