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在りし日の歌【文スト】【短編集】

第18章 拾い者と落し者 其の二




————次の日。


時間になったら迎えに行く、と昨日云われたので建物のの外で待つ私は思わず隣のマンションから出て来た男に目を見張る。


『なかはら、ちゅうやさん………?』

「ん?手前は………ッ!!」


私を認識するや否や戦闘に入る中原さんにあたふたしながら事情を説明する。


「ふーん。手前が芥川の部下なァ……。」

『はい。今後は味方同士なので宜しくお願いします。』

「あァ。そう云う事なら宜しくな。で、此処に住ンでンのか?」

『はい。昨日からです。中原さんも此方に?』

「おゥ。つっても何軒か或る内の一つだがな。拠点から近ェから便利なンだよ。」


自分が出て来た建物を見上げる彼は小さい乍らもイケメンオーラが漂っていた。


「今から拠点行くンだろ?乗ってくか?」


車の鍵を人差し指でクルクルと回す彼からまたもや溢れ出すイケメンオーラ。
其れに負けて思わず着いて行きそうになるところを何とか踏み止まった私は偉い。


『幹部様の車に乗ってみたいところですけど迎えが来るので待つことにします。』

「なンだそりゃア。何時でも乗せてやるよ。」


ふはッと笑い背を向け歩きながら手を振る中原さんに軽くお辞儀をした。
何あれ、ただのイケメンかよ。
どっかの唐変木とは大違いじゃないか。


芥「愛理。」

『あぁ、龍之介。』

芥「行くぞ。」

『はぁーい!……って何処に!?』

芥「任務に決まっている。」


いやいや、任務に決まってる訳無いでしょ。
新入りなんだから普通事務作業とか挨拶回りとか鍛錬なんじゃないの?
初っ端に新人、しかも敵組織から来た奴を同行させる?


と云いたいところをグッと飲み込み龍之介に着いていけば案内されたのは黒い車。
大人しく乗り込み彼と樋口さんに挟まれる形になったところで車が動き出す。


芥「樋口、概要を説明しろ。」

樋「はい!!」





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