第15章 固縛
『んっ、んん……。』
私が次に見た景色は一面真っ白な部屋だった。
此処は確か……嗚呼、ポートマフィアの医務室だ。
しかも御丁寧に個室をあてがってくれたみたい。
『ゔっ!』
起き上がろうとしたけれどお腹に少し力を入れるだけでも激痛が走る。
とりあえず其処に或るナースコールらしき釦を押すと、パタパタと足音が聞こえ叩敲の後に扉が開かれる。
「目が覚めましたか!?意識は?名前は言えますか?」
『あっ、はい。宮野愛理です。意識もはっきりしてますし大丈夫かと。』
「其れならば良かった。此の後一応検査をしましょう。」
検査の途中に今に至る経緯を髭の生えた何処にでも居そうな医師から聞くには、芥川君が私をマフィアに運んでくれたらしい。
所々骨が折れていたり内臓が圧迫されて危険な状態では或ったけれど、すぐに治療が出来たお陰で大事には至らず後遺症も残らないとの事だった。
『其れで何時治りますか?』
「今起きたばっかりでしょうに。最低でも三ヶ月は安静にして貰いたいね。」
『そんなに!?せめて二ヶ月!!』
「うーむ。二ヶ月を目標に、唯無理な様なら此方から再度云いますからね。兎に角安静にしていないと治らないよ。」
『分かりました…。』
三ヶ月も使い物にならないなんて其れは困る。
身体も鈍るから鍛え直さないといけないし…。
治ったら中也に手合わせ頼もう。