第14章 ビー玉
二人のやり取りを眺める事五分。
そろそろ飽きてきちゃったなー。
あ、いつの間にか広津さん居ないや。
タッチーは……今捨てられたな、うん。
『い゛っっったぁ!!!』
急に頭に強い衝撃が走り思わず大声を出し患部を抑えて蹲る。
「手前ェ昨日云ったばかりだろうが!!」
『何?此処まで追いかけて来て。私の事好きなの?ストーカーなの?』
「すっ、好きとかじゃねェよ!寧ろ其れは手前だろ!俺にちょっかいばっか掛けやがってよォ!」
『……だって好きだもん。』
「は…………?」
『中也の弄られてる顔♡』
「…愛理、夜道には気をつけろよ。」
『物騒にも程が有るでしょ!ごめんごめん!でも好きなのは本当だから!………え?』
顔を俯いてそっぽを向いてしまった中也。
あー、そんなに気持ち悪かったか。
申し訳ない。
あ!!今襲撃中なの忘れてた。
国木田さんと太宰さん放心状態で此方見てるよ。
此れで先刻の私の気持ち分かって頂けただろうか。
太「ねぇ、君。愛理ちゃん……だっけ?マフィア辞めてうちに来る気は無いかい?」
国「なっ!?また貴様は何を云い出すんだ!!」
太「愛理ちゃんみたいな美しい女性には明るい処の方が似合うと思うんだけど。」
『残念乍ら私の居場所は此処なんです。其れに美しくも無いですしね。』
中「嗚呼、その通りだ。」
『いや、美しく無いの部分は否定して?』
中「其れに愛理が抜ける事になれば首領は黙ってねェ。手前なら分かるだろ?」
太「私達が全力で守ろう。」
国「また勝手な事を……」
ほらー、国木田さん頭抱えちゃってるよ。
苦労してるんだろうなぁ…。
其れに中也の云った事は間違っていない。
私の暗殺に向いている異能力を首領が易々と手放す筈無い。
太「では私とデェトしてくれるかい?」
『もう流れがさっぱり分からないんですけど……』
太「君が余りにも美しいから軟派しているのだよ。」
中「そンならお断りだ。さっさと消えろ此のタコ。」
太「此処私の居場所なんだけど?」
中「………。」
『其れに中也仕事は?』