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在りし日の歌【文スト】【短編集】

第14章 ビー玉




結局中也の要件は首領が呼んでいる、との事だった。
其れなら早く云ってよ!
早く行かないと私が怠けてるみたいじゃない。
先程の鬼遊戯の疲れを引きずりながらも全速力で廊下を走り、扉を叩敲する。


『首領、宮野です。』

「入り給え。」

『失礼します。』


中に入るとポートマフィアの首領らしい、厳格な森さんが座っていた。
……今日はエリス嬢、上手くあしらえたんだな。


「明日は黒蜥蜴と襲撃の任務に行ってくれないかな?」

『因みに目標は?』

「嗚呼、武装探偵社だよ。」

『其れは本格的に潰しにかかる、と云う事ですか?』

「そうしても良いんだけどね。明日は銀君に別件を任せてるから其の穴埋めと云ったところだよ。」

『分かりました。何時もより派手に暴れて来ます。』

「うん。くれぐれも建物吹き飛ばしたりしないでねー。」

『善処します。』


一礼をし、部屋を出た私は其の脚で黒蜥蜴の元へと向かった。
此の時間なら鍛錬場に居る筈なんだけど…………あ、居た!


『広津さん!タッチー!明日の事で良いかな?』

「「はい。」」


大まかに作戦変更する事もなく黒蜥蜴が何時も行なっている襲撃のままだ。
ただ一つ違うのは戦力。
此れでも一応幹部の私は戦闘には自信が有る。
体術では流石に中也には劣るけれど異能力で補える。


「愛理さんは初めから透明化して突入しますか?」

『ううん、異能は使わない。真っ向勝負でいく。』

「分かりました。では先刻の作戦でいきましょう。」

「嗚呼、此れで窓から捨てられないで済む…。」

『あはは。寧ろ名物だもんね。』

「いや!笑い事じゃないっすよ!」


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