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在りし日の歌【文スト】【短編集】

第13章 孤島の名探偵




-後日。


何時も通りの平穏な日常に戻った探偵社で浮かばない顔をしている人達が居た。


『なんか複雑ですよね。』

太「何がだい?」

『悪い事をした訳じゃないのに……否悪い事なんだけどなんて云うか…。其れにあの男の人も凄く良くしてくれたし捕まえなくても…。』

国「前にも云った様にどんな物であれ罪を犯した者は犯罪者だ。其れは変わらん。」

『そう……ですよね。』

国「唯御前の証言が有れば罪を軽くする事ぐらいは出来るだろう。」

『そっか!国木田さん!有難う御座います!』

国「事実を云った迄だ。」

太「それで?乱歩さんは如何したんですか?」

乱「べつにー。」

『あ、もしかしてまだ私の居場所が分からなかった事引きずってる!?気にしなくて良いって云ったのに!』

乱「君が良くても僕は良くないんだよ。」

『ふふっ、可愛い。』


椅子に座ったまま机に寝そべる乱歩の側に行き頭を撫でてあげると小さい声でもっと。と聞こえた。
余程堪えているであろう彼の頬に口付けをするとガバッと起き上がり其の場所を手で押さえ顔を赤くしている。


『顔赤いですよ?』

乱「不意打ちなんて卑怯じゃないか。」

『だって落ち込み過ぎなんだもん!私は何時もの乱歩さんが好きだよ?』

乱「ーーッ!だからそう云う不意打ち禁止!!」

『はいはい。』


甘い空気が漂い始めるのを他所に太宰は顎に手を当て何やら真剣な表情をしていた。


敦「太宰さん、如何したんですか?」

太「漸く分かったよ。」

敦「あの二人が恋人同士って事がですか?」

太「……君は偶に私のことを馬鹿にしているよね?そうじゃなくて乱歩さんの超推理が使えなかった訳だよ。」

敦「えぇっ!?分かったんですか!?」

太「うん。其の前にもう少し確かめる事が有る。」


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