第13章 孤島の名探偵
『貴方伽羅(キャラ)変わり過ぎじゃない?』
男「……馬鹿云え、俺は元々けっこう喋る。」
乱「其れ僕の台詞なんだけど?」
国「もう俺には……何が正しいことなのか分からん……。」
太「ちょおおおっとーー!私だけ仲間外れにしないでくれる!?」
『いや、皆さん当初の目的思い出してもらって良いですか?でないとポートマフィアの馬面…じゃなかった、小さい人を呼ばなきゃいけなくなっちゃう。』
国「ごほん。……それで?目的は何だ。」
『うわぁ、咳をすれば場を改められると思ってる。』
乱「愛理。黙ってて。」
『私のこと助けに来てくれたんだよね?前頁まで結構シリアス路線だったよね?』
太「衝動が抑えられない時だって或るのだよ。」
男「目的はただ一つ。江戸川乱歩、御前への復讐だ。」
そう云うと男は愛理の側に行き未だベッドの上に座っていた彼女を椅子へ座る様に促すと其のまま隣に立った。
乱「兄の事件のことでしょ?」
男「そうだ。俺はあの時、兄が逮捕される時偶然現場に居合わせたんだ。愛する婚約者を殺されたと云うのに犯人扱いされ手錠まで掛けられた兄を俺がどんな気持ちで見ていたか…。」
乱「だって犯人だったんだもん。」
男「五月蝿い!!其の上御前はパトカーに乗る兄を見ながらこう云ったんだ!
“本当馬鹿らしいよね。あんな下らない人生送りたくないよ。”
と!!あの日からずっと其の言葉と声が頭にこびりついて離れなかった。
何も知らないくせに、あんなに立派な、誇らしい兄の人生を愚弄する権利は御前には無い!! 」
『そんな事が…』
国「どんな理由があれ罪を犯した者は犯罪者だ。其の事実は変わらん。」
男「推理が間違っている可能性だって或るだろう!!」
乱「僕の推理に間違いなんてある訳無いでしょ!」
男「間違っていないと云う証拠は!?」
太「其れは“悪魔の証明”だよ。浮気をしている証拠は有ってもしていない証拠は無い。消極的事実の証明なんて不可能だ。」
乱「君さ、何にも知らないんだね。」
男「……は?」