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在りし日の歌【文スト】【短編集】

第13章 孤島の名探偵




二分も経たない内に敦は再び部屋へと姿を見せる。
後ろには何故か乱歩も一緒だ。
其のまま一直線にパソコンへ向かうと映像を観た乱歩は目を見開く。


「-ッ!?……此奴。」

「知っているんですか?」

「うん。僕が解決した事件の犯人の弟だよ。」

「矢っ張り。僕が同行した事件ですよね?確か犯人だった兄は婚約中の彼女を殺してしまった…」

「そうか…。でも何故其処で弟が宮野を攫うんだ。」

「探偵社。否、乱歩さんへの復讐と考えるのが妥当だね。恐らく恋仲で或る事を調べたのだろう。」

「兄を逮捕された恨みということか。」

「其れだけで済めば良いのだけれどね。」


意味深な言葉を呟くと太宰は先程賢治が得て来た証言と地図、更には何時準備をしたのか兄が起こした事件の書類を乱歩に見せた。


「此れで、何か分かる事はありませんか?」

「………異能力;超推理!!」


少し躊躇いがちに胸から眼鏡を取り出した彼は数秒の沈黙の後、そうか。と呟き太宰と国木田を見ると説明するべく為に口を開いた。


「僕のせいで彼女は巻き込まれたみたいだ。彼の動機や誘拐方法は分かった。…ただ肝心の彼女の居場所が分からない。」

「いえ、其れだけ分かれば充分です。詳細を教えて頂けますか?後は日頃サボっている太宰に考えさせますから。」

「国木田……。後でラムネあげる。」

「……有難う御座います。」








「成る程。とすれば彼の自宅の何処かと考えるのが妥当だね。早速彼の家に向かおう!国木田くん!車!敦君は念の為社に居てくれ給え。乱歩さんは同行お願いします。」

「嗚呼!」「分かりました!」「勿論!」


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