第1章 貴女は僕の太陽
先生はさんを溺愛している。
もちろん先生の性格からして言葉でストレートに表現するようなことは、もちろんしない。
その代わり、日常の何気ない仕草の中に、さんを大切に思う気持ちが溢れている。
例えば今のお茶の件にしたってそうだ。
決してさんの手を煩わせるようなことはさせない(とは言っても、さんの方が先に気がついて色々としてくれることが多いのだが)。
一緒に買い物に行った時も、さりげなくさんの荷物を持ち、半径3キロ以内に怪人の気配を感じればさりげなく瞬殺してくる。
さんの歩く道に石が転がっていれば、宇宙にまで届きそうな勢いでさりげなく蹴り飛ばしておくし、さりげなさがとどまるところを知らない。
だが、とにもかくにも、先生はさんを両手で包んで温めるようにして可愛がっている。
まぁ、あの容姿ならばそれも無理のないことなのかもしれない。
先にも言ったように、さんの容姿は非常に整っている。加えて、先生からのあふれんばかりの愛情を注がれて育ったせいで、妹属性までしっかりと備えている。
可愛くない訳がないのだ。
だがそれにしても先生の行動は、やや過保護すぎるかもしれない。先生のこれらの行動は幼少の頃からだと以前さんが言っていたので、相当な筋金入りである。