第13章 君へと続く夢 side TIGER
「タイガーさんが眠っている間に色々検査して
健康状態には全く問題が無いそうです。
だから意識が戻ったら退院しても大丈夫だってドクターが……」
「でも………俺、クスリを…」
「クスリ?」
「うん。
ずっと飲まされてて………
オレンジ色のカプセルで……」
「ああ……それ、ビタミン剤ですよ。」
「…………え?」
「バーナビーさんの部屋に大量にあったから
不審に思って調べたんですけど、
カプセルの中身は只のビタミン剤だったんです。」
………………………………何だよ、ソレ。
クスリを飲まされてるから逃げ出せないのは仕方がねーって思ってたのは、俺が自分自身に与えた言い訳だったってコトかよ。
いくらバニーが俺を騙そうとしてたからって、自分さえハッキリとした意思を持っていれば操られる事なんてなかったワケだ。
俺はいつだって、簡単に逃げ出せた。
バニーは最後の最後で俺に選択肢を与えてくれてたのに………。
俺は自分の意思でバニーに愛されてたクセに、全部バニーのせいにして、散々バニーを泣かせて………
最後まで自分だけが悪者になって、俺を唯の一度も責めもせずあんなに大事に愛してくれたバニー。