第13章 君へと続く夢 side TIGER
こんな生活を続けてもう一ヶ月……いや、二ヶ月……
それすらも分からなくなっていたある日の朝、いつも通りバニーに抱かれて眠っていた時………
「虎徹ッ!」
「タイガー君ッ!!」
ロックバイソンとスカイハイが部屋に飛び込んで来た。
一体何事かと虚を突かれて動けない俺とバニー。
その隙に俺はスカイハイに抱えられ、ロックバイソンがバニーを抑え込む。
「何だよ……コレッ!?
オイ、バイソン……」
「黙ってろ、虎徹ッ!
いいからお前はスカイハイと部屋を出やがれッ!」
「行くよ、タイガー君!
私にしっかり掴まっていてくれたまえ!」
そしてそこにファイヤーエンブレムも現れる。
「早く行って、スカイハイ!
ハンサムが能力を発動しちゃったら、
アタシとバイソンでは止められないわよッ!」
バイソンとファイヤーの2人掛かりで、潰されるようにベッドへ押し付けられているバニーの表情は完全に激昂していた。
「離せッ!
離せエエエエッッ!!」
血反吐を吐くみたいに叫び、燃える目で俺を連れ去るスカイハイを睨み付ける。
「……ぁ…に……」
そんなバニーと俺の距離がどんどんと開いて行く。
「バニィ……
バニー……バニィーッッ……」
スカイハイの腕の中で俺はバニーへ手を伸ばし、その名前を何度も呼んだ。
そして………
「虎徹さアアアアアアッッッッ………ン!!!!」
殆ど叫喚に似たバニーの奇声を聞いたのを最後に、俺の意識は無くなったんだ。