第13章 君へと続く夢 side TIGER
毎日毎日、バニーに囲われるだけの日々。
「大切にしますから」と言ったその言葉通り、俺は異常な程に愛された。
バニーの手で美味いモンをたらふく食わせてもらって、バニーの手で丁寧に身体を洗ってもらって。
眠る間も一時だって俺の身体を離そうとしないバニー。
…………それで俺はどうして逃げねーのかって?
どーしてだろーな。
多分………クスリのせいだ。
事ある毎にバニーは俺にクスリを飲ませる。
口移しで流し込む時もあれば、尻に直接突っ込んでイチモツで掻き回す時だってあった。
まあ、これだけ俺を想ってくれてるんだから身体に悪いモンじゃねーんだろう。
けど、そのクスリを飲まされると冷静に物が考えられなくなった。
気怠くて、1人じゃ何も出来ないような気がしてさ……
唯々バニーから与えられるモノだけに執着しちまうんだ。
だからバニーが仕事で居ない時も俺は逃げ出しもせず、キッチリと躾けられた飼い犬のように行儀良くご主人様の帰りを待ってた。
「可愛い。
虎徹さん……可愛い。
好き……好きです……虎徹さん。」
そう甘く囁いて俺の全身に舌を這わせる時も、バニーの口から出たとは思えねえ卑俗な言葉を叫びながら俺の尻をメチャクチャにする時も……
何故かいつもバニーは涙を流してた。
「バニー……
何でまた泣いてンの?」
「分かりません。
でも僕……虎徹さんが居ないと……」
「ん……。
大丈夫だって。
俺はずっとここに居るから。」
「虎徹さん……好きです。
愛しているんです、貴方を。
だから……」
そしてバニーは、俺が飛んじまうまで……
俺を抱く。
普通で考えればさ、泣きたいのは俺の方だろって状況だよな。
けど俺は、バニーを泣かせる不安や恐怖を根刮ぎ取り除いてやりたかった。
只、それだけだったんだ。