第13章 君へと続く夢 side TIGER
本当は気付いてた。
マーベリックを倒して直ぐ……の頃からかな。
バニーが俺を見る目は……只のバディに対するモノじゃねーって。
気付いてたのに、分かってたのに………
俺は、突き放す事も受け入れる事もしなかった。
何でもないような顔して、バニーが俺に対する想いを抱えて苦しんでるのを黙って見てたんだ。
自分の立ち位置だけはちゃんと確保してさ、波風立てずに上手いこと生きて行こうなんて狡い大人の典型だよな。
俺だって、もちろんバニーが嫌いじゃなかったよ。
まあ……性的にどうだって言われれば微妙だけどさ。
でもバニーとだったらキスとか余裕で出来ると思ってたし………
着替える時なんかに見るあのキレイな身体にはムラッと来る事だってあった。
じゃあ受け入れれば良かったじゃねーかって思うだろ?
でも、ダメなんだよ……俺じゃ。
バニーが俺をそういう目で見るのは、傍に俺しか居ないからなんだ。
俺しか居なかったから、俺に『依存』しただけ。
俺を本気で『好き』なワケじゃねーんだよ。
だから時間が過ぎれば……って思った。
時間が経って、バニーの世界が広がって、もっともっとたくさんの人達と出会ってさ………
そうすれば必ず、バニーにお似合いの美人で優しいパートナーが現れるハズなんだから……。
…………で、結果がコレだ。
バニーの傍を離れるのはもっと時間を掛けるべきだったか?
俺に対するバニーの気持ちを見誤ってたのか?
何にせよ、バニーは壊れて、暴走して………
延々と俺を犯し続けた。