• テキストサイズ

君とならキスだけで【TIGER&BUNNY】

第13章 君へと続く夢 side TIGER


ジェイク戦に勝利した後、笑ったバニーのグリーンアイは見惚れる程に綺麗だったのを覚えてる。

俺も大怪我しちまったけどさ、そのおかげってワケでもねーと思うが……

バニーが俺の呼び方を「オジサン」から「虎徹さん」に昇格させてくれたのが何よりも一番嬉しかった。


だけど、これで終わりじゃなかったんだよな。

本当の黒幕は他に居て、それはまさかのマーベリックだった。

両親を亡くしたバニーを陰日向に支えて、養父と言っても過言じゃなかったマーベリック。

バニーだって誰よりもマーベリックを信頼して生きて来たのに、まさかそいつに記憶まで操作されてたなんて。

もう何もかも信じられなくなっちまっても当然だ。

だからもうこれ以上バニーを傷付けたくなかったってのに!

それなのにマーベリックは再びバニーの記憶を操作して………

バニーは俺の事をすっかり忘れちまった。


けどッ……だけどさ、バニーは俺を思い出してくれたんだ!

俺を殺そうとする一歩手前で、俺を思い出して「虎徹さん」って呼んでくれた。

じゃあもう恐れるモンなんてねーよな?

俺とバニーはNEXT能力でも壊せない絆を手に入れたんだから。

他のヒーロー達とも協力し合って……

実は俺、またここで死にそうになっちまったんだけど……はは。

マーベリックを倒して、今度こそバニーは過去の柵を全部断ち切る事が出来たんだ。

「虎徹さん」って俺の名前を呼びながら本物の笑顔を見せるバニーの姿に、心底良かったと思った。

これからバニーはやっと自分の人生を生きられるんだって、それを俺が隣で見守ってやれるんだって、そう思ったのにさ………

神様ってヤツは本当に意地悪だよな。

人の幸せが許せないのかね?


そう……その頃にはもう、俺のハンドレットパワーの持続時間は2分を切っていたんだ。
/ 461ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp