第13章 君へと続く夢 side TIGER
衝撃的な鮮烈デビューを飾ったスーパールーキー。
バーナビー・ブルックスJr.
確かに実力はあるし、見た目も完璧。
まあ、ヒーローになるべくしてなったような男だけど………
これがまた、クソ生意気なヤツでさ。
ヒーローとしてだけじゃなく、人生の先輩である俺の言う事なんて聞きやしねえ。
事ある毎に「ポイントが…」って煩いし、バディである俺と歩み寄ろうなんて気持ちは全く感じられねーし。
それでもさ、俺はバーナビーの事を『バニー』って呼んで、少しでも解り合えたらって頑張ったんだぜ。
元々俺がお節介気質だってのもあったけど………
それ以上に、営業スマイルを振り撒いてる時も、俺に嫌味を言ってる時も、トレーニングやデスクワークで真顔の時だって……
バニーの目は全てを諦めたような冷たい色をしてたから。
スッゲー綺麗なグリーンアイなのに勿体ねーだろ?
このグリーンアイが嬉しかったり、楽しかったり……そういう感情で輝いたらもっともっと綺麗なんじゃねーのかって、俺はそれが見たかったんだ。
ウザがられても突き放されても、根気良く接してやる内にバニーは徐々に変化した。
クソ生意気なのは変わんなかったけどさ、でも多少は俺の事を認めてくれるようになったし、俺以外のヒーロー達ともコミュニケーションを取るようになって。
事件や事故での出動はもちろん、キャンペーンやイベントの出演も、俺とバニーはいつも一緒だった。
………そして遂に、バニーは幼い時に殺された両親の仇を討ったんだ。