第9章 君の手をひいて
「昨日は本当に助かりました。
ありがとう、さん。」
翌日、私はまたバーナビーにお礼を言われた。
「ううん。
私は見えた光景を伝えただけだし……。
それをちゃんと阻止出来たのはバーナビーとタイガーの力だから。」
「僕達もポイントは稼げたんですけど、
でも未然に防いだ事で、何も被害が出なかった。
それが一番嬉しいんです。
それは絶対にさんのおかげですよ。」
「あ……ありがと……」
そんなキラキラした笑顔で真っ直ぐに見つめられれば、私の心拍数は病的なレベルにまで上がっちゃう。
図々しい事だって分かってる。
身の程をわきまえろって言われても当然だけど………
でもバーナビーは私の事……どう思ってくれてるのかな?
そしてまたバーナビーの手を握ってヴィジョンを見る。
幸いにもここから24時間は何事も起こらないみたい。
だから2人でお茶しながら他愛もない会話を続けていた時……
「あれ……バニー?」
ワイルドタイガーがこっちに向かって歩いて来た。