第9章 君の手をひいて
「貴女は未来が見えるんですか?
NEXTの能力で?」
「…………。」
私は黙って俯いてしまう。
暫くの沈黙の後、バーナビーが態とらしく小声で語り掛けて来た。
「少し……秘密の話をしましょうか?」
「え……?」
「実は僕もNEXTなんです。
ハンドレットパワーっていう5分間だけ身体能力が100倍になる能力で。
………内緒ですよ。」
「……………プッ
アハハハハハ………」
深刻そうな顔で話すバーナビーに、我慢出来ず大笑いしてしまう。
そんなのシュテルンビルド中の人が知ってるよ。
私の気持ちを楽にする為にこんな事してくれてるんだ。
そう思ったら嬉しくて、気持ちが軽くなって……
気が付いたら私は自分の能力の事も、身の上話までも全部バーナビーに話しちゃってた。