第9章 君の手をひいて
翌日、仕事を終えて駅への帰り道、晩ご飯どうしようかなーなんて考えながら歩いていると
「こんばんは。」
いきなり背後から声を掛けて来る人がいた。
いくら治安の良いゴールドステージでもこういうのはちょっと怖い。
恐る恐る振り返ると、そこに立っていたのは………
「バーナビー!?」
「ああ、会えて良かった。
昨日あのカフェの制服を着ていらしたので
ここで待っていればお会い出来るかな……と。」
「え?……え?
どうして………」
「貴女にどうしてもお礼が言いたくて。」
そう言ってニッコリと微笑むバーナビーは眩暈がする程ハンサムだった。
結局、正常な思考も覚束ない間に、バーナビーに誘われるまま一緒に食事する事になり……
今、オシャレなダイナーで座る私の前にはあのBBJが!
「貴女の助言のお陰で、僕は大切な相棒を救う事が出来たんです。
貴女に言われてなかったら今頃ワイルドタイガーは瓦礫の下敷きでした。
本当にありがとうございます。」
「いえ……そんな………」
こんな風に感謝されたくて伝えた訳じゃないけど、でも何よりもバーナビーが私の言った事を信じてくれたのが嬉しい。