第9章 君の手をひいて
頭の中を侵略するように流れ込んで来るヴィジョン。
……炎と煙。
火事?爆発?
………熱い。
ああ……天井が崩れて……危ない!
崩れた天井の下にグリーンのライトを纏った人影が……
「…………ッッ!」
パシッとバーナビーの手を振り払うように離すと、私は動揺を隠せないまま立ち上がる。
「大丈夫ですッ……」
「怪我とかしてないですか?」
「本当に大丈夫なのでッ……」
そのまま早足で立ち去ろうとした私の手首をまたバーナビーが掴んだ。
「何かあったら、アポロンメディアへ連絡下さい。
バーナビー・ブルックスJr.に用があるって言ってもらえれば
僕に繋がるようにしておきますから。」
「あのッ……離して…下さい。」
バーナビーに触れられている事にもだけど……
それ以上にさっき見えたヴィジョンが私の鼓動を激しくする。
あのグリーンのライト……
あれってワイルドタイガー……だよね?
伝えなきゃ……
でもきっとまた……『変なヤツ』って思われる。
『こいつは《化け物》なんだ』って思われちゃう……
でも……でも……