第9章 君の手をひいて
「きゃあッ……」
突然の後ろからの衝撃で前のめりに倒れる。
………もう、ホントにツいてない。
思い切り膝を打って、俯いたままその痛みに顔を顰める私の目線の下に大きな手が差し出された。
「ごめんなさいッ!
大丈夫ですか!?」
え……この声って……まさか……
恐る恐る顔を上げてみると、そこに立っていたのは……バーナビー!!?
バーナビーは泣き出してしまいそうな表情で私を見下ろしている。
「僕…ちょっと急いでいて……
本当にごめんなさい。」
ウソ……
憧れのスーパーヒーローが目の前に居る!
その人が私にぶつかって、倒れた私に手を差し伸べて……
夢みたいなシチュエーションに私がボーッとしていると
「あの……
立てますか?」
バーナビーは更に腰を落とした。
「え……ハ…ハイッ!
大丈夫で……」
自然な流れで差し出された手を握って………
しまった…と思ったけれど遅かった。