第8章 結界。
はぁ…はぁ…はぁ…。
お父様も学秀も、私の魔力に引き寄せられてここに来るだろう…。
感染者は女性や魔力が強い者の体液を求める…。
2人共、自分自身の魔力が強すぎる故、自我が残ってる分、 必ず私の元にくる…。
山道を登りきり、叫ぶ。
『カルマ!コロ先生!!助けて…!』
カルマが教室から顔を出す。
カルマ『まぁ!』
コロ『まぁさん、どうしましたか?』
みんなも私の話に耳を傾ける。
前原君もマウスンの時に使った薬が効いて元に戻っていた。
私は教室に入り事情を説明する。
2人にされた事を省いて…。
『お父様と学秀が感染した…。お父様は自分自身に魔封じをしたけど長くは持たないって…。すぐに結界を張って、薬ができるまでのあと13時間、持ちこたえてって。』
ひなの『うそ…法王が?』
コロ『なるほど…。ですが法王はこの世界の人間ではトップの魔力の持ち主…。こちらが結界を張ったとして13時間持ちこたえてられるか…。
まぁさんの魔力だけでは足りない…。
法王と張り合うレベルの魔力があれば別ですが…。』
磯貝『そんなヤツ…。この世界にいないだろう…。』
カルマ『コロ先生がマッハで13時間まぁを抱えて逃げまくるのは?』
コロ『確かにそれも可能ですが、魔王である私に、法王の最大魔法をくらってしまえばまぁさん自身が危ない…。』
カルマ『さすがに俺でも法王を相手するのは無理だ…。』
みんなで頭を捻っていると聞き覚えのある声が聞こえた。