第6章 平穏な日々に嵐はやってくる~トド松
「いやいやいやいや、2人は全然まったく悪くないから! 謝らないでよ~~」
そんなやり取りをしていると、店の中からトド松が出てきた。
バツが悪そうにこちらに笑顔を向けると、明るい声で話しかけてくる。
「ぼくのせいで、ホントにごめんね。反省してる。これに懲りずに、また一緒に合コン行ってくれると嬉しいな~」
「うん、いいよ。でも、連れてくる男はもうちょっと選んでよねぇ」
「ドドまづ・・・・・・ズビッ」
「・・・きったない顔~」
「う、うるさいなっ!とまんないのっ!」
「ナス子、そのハンカチ貸してあげるから、持ってっていいよ。どうせハンカチなんて持ってないでしょ?」
うっ。図星。
普段持ち歩かないもんだから、こういう時も忘れてきちゃう。
女子力ってこういうところで差が出るよねぇ。
「ナス子姉はぼくが送っていくから、2人はこのまま帰りなよ」
「そう? わかった。じゃあまかせるね。あ、今度会った時に2人の関係聞くからねーちゃんと教えてよね」
そう言いながら2人は私達の帰る方向とは反対方向へと向かって去って行った。
うぅ・・・みっともないとこ見せちゃった・・・
今度お詫びの品を買って二人に渡そう・・・
「いい加減上着着たら? 人より厚い肉に覆われているとはいえ、その格好じゃいくらなんでも寒いでしょ」
「一言余計なんだよね・・・」
「ほら、鞄持っててやるから、さっさと着な。帰るよ」
私が上着を羽織り、鞄を受け取ろうとすると、トド松はそれを渡さず自分の肩にかけ、代わりに手を差し出してくる。
「ほら」