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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第6章  平穏な日々に嵐はやってくる~トド松



 私が言い返そうと息を吸うと、後ろからポンと肩を叩かれた。
 振り向くと、トド松が口元に笑みを浮かべながら立っていた。
 そのまま私を一歩後ろに下がらせ自分が前に出ると、男に向かって口を開いた。
 後ろに回されてしまった私は、トド松の表情はわからない。

「そうなんだよ。ゴメンね。嘘ついてて。皆も、ごめんね? なんかぼくの所為で雰囲気悪くなっちゃったよね。ホントごめん・・・」

 トド松がそう言うと、場が静まり返る。

「でも、嘘つきはぼくだけだから。ナス子姉は、嘘つきなんかじゃないし。普通に良い人だから・・・・・・ていうか、ぼくの姉さん悪く言うのやめてくれる?殺すよ」

「は、はぁ? 姉さん? お前ら姉弟なん・・・」

「ちょ、ちょっと、ナス子っ、大丈夫?!」

「へ?」

 友人に声をかけられ、なんのことかわからず友人の顔を見ると、ごそごそとバックからハンカチを取り出して私に渡してくれる。

 どうやら私は泣いてしまっていたらしい。
 ハンカチを受け取って顔を拭くと、確かに頬が濡れている。
 自分が泣いているということを自覚すると、不思議と止まらなくなるもので、ボロボロと涙が溢れ出してくる。
 あ、鼻水も出てきた。

「もう帰ろう。ごめんね、ナス子、急に都合つけて来てもらったのに嫌な思いさせちゃって・・・トド松くんも、なんか、ごめん」

「ううん、ボクは気にしてないから。ボクのほうこそ」

「っていうか、酔って本人のいない所で悪口言うとか、そんな小さい男ゴメンだから。私も帰る。ナス子、いこいこ」

「え、あ、あの」

 友人2人に、半ば強引に背中を押され私は店の外に出た。
 ぐずぐずとまだ涙が止まらない私。うお~~止まれ~~~!!

 鞄と上着を渡され、ぎゅっと手を握られる。

「ホントにごめんナス子・・・なんて言ったらいいのか・・・」

「ごめんねぇ・・・」

 この2人はまったく悪くないのに、心底反省したように謝られて、私は慌てる。
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