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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第6章  平穏な日々に嵐はやってくる~トド松


 
 トド松は、ただ黙って私と一緒に突っ立っている。
 何も反応がないというのは逆に不安になるもので、私はそろりと視線を上に移し、トド松の表情を確認する。

 怒るでもなく、泣くでもなく、悔しがるとかでもなく、なんていうか、感情が読めない感じ。
 でも、私にはわかる。
 こういう顔する時のトド松は・・・

 その時、私の中の何かが弾けた。

 勢いよく目の前の戸を開けると、中の皆はびっくりした様子で一斉にこちらに視線が集まる。
 が、それは束の間で、みんなすぐに気まずそうに視線を下に逸らしてしまった。
 そんなことはお構いなく、私は一人の男の近くまで歩み寄ると、仁王立ちしてビシっと相手を指差す。

「確かに!! あなたの言うことは正しい!! 間違ってない!一つも! ひとっつも間違ってない!!」

 私が語気を強めてそう言うと、言われた相手は少し安心したように表情を緩めた。

「確かにトド松はニートで、童貞で、あざとくて、見栄っ張りで、人の心を持たないドライモンスターみたいなとこもあるけども!! だがしかし!! だぁがしかぁぁあし!!!」

 個室の中はすっかり気詰まりな雰囲気が漂っているが、今の私には関係ない。
 私は酔っている。酔っているんだ!!

「今だって私のこと心配してトイレまで付いて来てくれたしっ、一緒にいてくれたしっ・・・ていうか・・・っていうか・・・っ!・・・っ!」

 ・・・・・・・あ、アレ?!案外褒め言葉出てこないな?!
 ホントに良いところないんだな六つ子共!!

 私が言葉に詰まると、指差された男がチッと舌打ちをする。
 うっ、こ、怖い。

「なんだよ、やっぱり知り合いかよ。おかしいと思ったんだよ、ろくに会話もしてないのにトイレに付き添って行くとかさ。嘘つきの知り合いはやっぱり嘘つきってか?」

 鼻で笑いながら悪態をついてくる相手に、ぐっと体に力が入る。
 悔しい・・・言い返せないこの自分の語彙力の無さが悔やまれる!!
 でも何か言い返さないと気が済まない。
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