第6章 平穏な日々に嵐はやってくる~トド松
あーいっぱい喋ったらまた喉渇いちゃったよ。
私はそばにあったグラスを手に取りゴクゴクと一気に飲み干す。
「プハー、美味しい!」
「ちょ、ナス子、それ私のだよ。お酒だよ? スクリュー・ドライバー・・・」
「え?え、あ! ごごごごめん!」
「いや別にいいんだけど、ナス子そんなにお酒強くないよね、それ結構アルコール度数強いやつだから大丈夫かなって。飲み干しちゃったし」
うっかりと言うやつだ、つい間違えてしまった。
っていうか今のお酒だったのか、甘かったし、オレンジジュースみたいで美味しかったけど。
「大丈夫大丈夫! ごめんね、同じの頼みなおすね」
そして小一時間後。
合コンメンバーも酔いが回り口調が軽快になり、場の雰囲気は結構いい感じに仕上がってきた。
しかし、私は完全にグロッキー。元々お酒は弱くて、1杯飲むのが精一杯なぐらいなんだけど、なんやかんやで3杯も飲んでしまった・・
ここのお酒美味しいんだもん・・・さっきのチョコレートの香りがするやつ美味しかったな・・・
このお店って、やっぱり幹事のトド松が選んだんだよね?
なんでこんなお店知ってるんだろう・・・やっぱり謎だ・・・
う゛・・・ヤバイ、気持ち悪い・・・吐きそう・・・
ここで吐いたら大惨事。私はそそくさとトイレに向かおうとしたが、立ち上がると足にも酔いが回ってきているのか、ついよろけてしまった。
「・・・・・・ちょっと、大丈夫?」
よろけてしまった私を、受け止めてくれたのはトド松だった。
トド松も顔が少し赤い。酔ってきているのだろう。
小声でそう聞かれたので、私も同じぐらいの声量で答える。
「スミマセェン、大丈夫ですぅ~ありがとうございますぅ~・・・オ゛ェェ」
「いや全然大丈夫じゃないから・・・顔赤いのに顔色白いから」
「う"ぅ・・・」